「魔法の国」の空飛ぶ宅配便?パーセルコプター実用化へ

「無人飛行機による配送の実用化」については、世界各地でさまざまな試みが行われています。

2014年9月24日には国際宅配便会社DHLが、地元ドイツで「魔法の国」と讃えられているユイスト島において、無人飛行機による配達を開始しました。

ユイスト島が「魔法の国」とまで称されているのは、ユネスコ世界遺産であるワッデン海に面し、美しい景観で知られているためです。ドイツ本土から7Kmに位置し、全長17キロメートルの海岸は東フリースラント諸島の中で最長。

静穏と保養、リラクゼーションの島であり、自動車は使用禁止。二頭立ての馬車が海岸を走り、アザラシの日光浴が見られるエリアもあります。

DHLは2013年から、無人飛行機ドローンを開発したマイクロドローン社、およびアーヘン工科大学と協力して無人飛行機による配送の研究を行っていました。

それによって無人飛行機「パーセルコプター(PARCELCOPTER)」を開発し、医薬品など緊急物資に限っての配送を行うと発表したのです。

離陸から着陸まですべて自動で、50m上空を時速約65kmで飛行します。承認されたルートのみを飛行するので、実際に飛ぶ距離は本土からユイスト島までの約12km。

ユイスト島には専用の離着陸場が用意されており、そこに到着したパーセルコプターからDHLの宅配便が荷物を預かり、あて先に配達します。

あて先の承認はゼーフント薬局一軒に限定されていますが、ユイスト島の住人も、保養目的で滞在している人も、その薬局を通じて必要なものを買うことができるのです。

離着陸まで完全に自動化した無人飛行機としては世界初の試みであり、無人飛行機の普及に向けて、大きく前進したといえるかもしれません。

関連記事

ページ上部へ戻る