液体は海外には持ち出せない?

国際線が発着する空港のチェックインカウンター付近で、職員が聞いて回っていることに、「100ml以上の飲み物や化粧品を持っていませんか?」という質問があります。

これは2007年から施行された、液体の持ち込みに関する国土交通省のルールです。100ml(g)を超える容器に入った液体物は、航空機内への持ち込みが禁止されており、原則、放棄しなければなりません。PETボトルに入った水やお茶はもちろん、歯磨き粉や化粧水などもそうですし、エアゾール、スプレーも対象になります。ただし、例外があって、市販薬品やベビーフードは申告して認められれば持ち込めます。

このルールを知らずに、空港へ行ってしまった場合はどうなるのでしょうか?廃棄せずに済む方法は二つです。「スーツケースなど、預け入れ荷物に入れる」か、「容器ごとジッパー付き透明袋に入れる」のです。この「ジッパー付き透明袋」には詳しい規定があり、「容量1リットル以下のジッパーの付いた再封可能な透明プラスチック製袋」とされています。その大きさの目安は、縦20cm以下×横20cm以下です。

つまり大きすぎたり、ジッパーが付いていなかったり、透明でないものは不可です。また、このジッパー付き透明袋は、1人につき1袋の持ち込みしかできません。袋は空港の売店でも購入することができるのですが、市販されている品と同じですので、1袋のみは買えない場合もあり、できれば出発前にスーパーやホームセンターで購入したほうが、ムダがなく安上がりです。

このルールが導入された背景には、2006年にロンドン・ヒースロー空港で起きた旅客機の爆破未遂テロ事件があります。犯人は、スポーツ飲料に爆発物を仕掛けたのです。

このような事件が起こってしまうと、警備の強化と共に、手荷物の持ち込みが規制されるのもやむを得ません。しかし、規制が始まった当初は、そのことを知らずに戸惑っている旅行客が多かったと言います。

そのような人たちが任意で放棄した大量の酒類や香水を、空港職員が廃棄する様子がニュースになったほどです。もったいない、という人もいましたが、ルールである以上やむを得ない、と関係者が語っていました。

今でも、出発ロビーで、荷物の移し替えをしたり、透明袋に液体を詰め込んでいる人を良く見かけます。少々面倒ですが、安全のためには、やむを得ない措置でもあるのです。安全確保と保安検査時の待ち時間短縮のためにも、旅行の際は、ルールを念頭に入れるようにしましょう。

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