目的地が空港の日帰り旅って!?

ある調査によれば、2007年の中部国際空港(セントレア)の年間利用者は約1700万人だそうです。内訳は、国際線が約560万人で、国内線が630万人。合計しても計算が合いませんね。そうなんです、セントレアには、空港に来ても飛行機に乗らず施設だけを利用する人が、1年で約500万人もいるのです。とはいえ、見送り客だけでは、ほぼ達成不可能な人数だとお分かりでしょう。

最近の空港は、このように、観光スポット並みの魅力のある場所になっています。現に、セントレアの商業施設の充実ぶりには目を見張るものがあります。

宿場町を模した「ちょうちん横丁」やヨーロッパをイメージした「レンガ通り」は、まるでテーマパークに足を踏み入れた錯覚が起きそうなほどですし、なんと、滑走路を見ながら入れる銭湯まであるのです。その名も「セントレアの湯」というこの銭湯は、日本で唯一、湯船から滑走路が見えるお風呂があり、浴場内では、飛行機の離発着音が流れるなど、臨場感もタップリです。

このように、飛行機を利用しない単なる観光客も、気軽に空港を訪れる時代になりました。新北九州空港内には足湯がありますし、関空には、すぐそばに「スカイビュー」という“航空テーマパーク”があります。スカイビューでは、フライトシミュレーターや、管制塔の業務を体験できるゲームなどがそろっており、休日には、たくさんの人が訪れ、順番待ちができるほどの人気だそうです。

空港が通過点ではなく、旅の目的地になりつつある例は、世界にもたくさんあります。その1つが、オランダのスキポール空港です。長年、利用者を増やすために、空港内の施設の充実を図った成果が出ています。ショッピングゾーンには200以上のお店がありますし、ホテルはもちろん、サウナやシャワールームもあり、気軽にひと休みできます。また、美術館やカジノまであり、待ち時間が長くても退屈しません。

スキポール空港では、売り上げの5割をホテルや物販などの非航空部門が占めるそうです。常に新しいサービスを提供するため、施設の拡張工事が頻繁に行われています。

そのほか、空港で人気の施設といえば、やはり免税店。ブランド免税店が数多く集まる空港は、特に人気が高いです。早めに到着してチェックインを済ませ、買い物を楽しむ人も多いと聞きます。

このように、空港は今や、立派な娯楽スポットとも言えるでしょう。楽しむために早く行くのは結構ですが、夢中になりすぎて、飛行機に乗り遅れないようにしてくださいね。

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