これからのドローンの活躍の場は農地へ?
2017年3月23日から25日にかけ、幕張メッセにてドローン産業の展示会「Japan Drone 2017」が開催されました。
相次いだ墜落事故、特に首相官邸へのドローン墜落という政府の大失態をごまかす意味もあってか、日本にしては異常な速さで航空法が改正されました。
ドローンの規制が行われるようになり、そのあおりを受けて日本国内でのドローン普及は停滞しているように見える中、今回の展示会は意外にも盛況だった様子。
盛況だった理由は、昨年の同イベントと比べたときに見られるある変化。
昨年の「Japan Drone 2016」では、ドローンの本体そのものの付属ハードウェアが主だったものが、今年はむしろ、ドローンをどう活用するかに重点を置いたブースが目立っていたようです。
ドローン黎明期、ドローンというのは気軽に飛ばせて空撮ができるホビー用途が強調されていました。しかし、人口密集地では高度に関わらずドローンを飛ばすには許可が必要となってしまったために、ホビー用途はハードルが上がってしまっています。
その代わりに増えていたのが、業務用途ドローンの展示。
例えば農業用。
日本ではドローンはマルチコプターでなければならないという、変なカテゴリー分けができていますが、実際のところドローンの定義は無人機であるということ。
そういう意味ではすでに農家ではラジコンヘリというドローンを用いた農薬散布が行われており、ドローンとの相性がいい業種であると言えます。
例えば国内ドローンメーカーの自律制御システム研究所が展示したのは、軽トラでも運べる小型オクトコプター。
オクトコプターというのはプロペラを8つもつマルチコプターのこと。
従来のラジコンヘリと異なり、オクトコプターは空中制御も容易ですから、より小規模な農地でも使いやすくなっています。
また、農業用としては中国のドローンメーカーからも農薬散布用ドローンが展示されていました。
おそらくよほど住宅街に挟まれたようなところでなければ、農地は人口集中地区にはあたらないため、ドローンを飛ばすのに許可は不要なはず。
農薬散布のためなら人口集中地区以外でも許可が必要な高度150m以上まで飛ばす必要もありません。
あるいは、ドローンであれば農薬散布以外に害鳥・害獣対策にも使えるかもしれません。これからは農地で飛ぶドローンを多く見かけるようになるかもしれませんね。