ミャンマーの空に、三菱のMRJが飛び立ちます

イギリスのハンプシャー州で、第49回ファンボロー国際航空ショーが行われました。

その航空ショーの会場で行われた商談会で、「三菱リージョナルジェット(MRJ)が、ミャンマーの空を飛ぶ」ことに決まりました。従来からMRJの開発で注目されてきた三菱航空機と、ミャンマーの民間航空会社・マンダレー航空が契約したのです。

マンダレー航空が購入するのは、90人乗りクラスの「MRJ90」が6機。それとは別に、4機分のオプション(追加発注できる権利)がついている契約です。

マンダレー航空はMRJにとって、東南アジア初めての顧客となります。

現在のミャンマーは民主化が急速に進んでいて、ビジネスマンを中心とした航空需要の伸びが期待されている国です。マンダレー航空に限らず、ミャンマー全体でジェット機の購入が急がれているのです。

現在、マンダレー航空が所有しているのは、フランス製プロペラ機の「ATR72」と「ATR42」の二機。それと別に、タイのチェンマイとヤンゴンを結ぶ便に使われている「ATR72」が一機あります。

これら3機ともが、1994年の会社設立以来、ずっと使われている古い機体ですし、そもそもこの3機だけでは機体の数が少なすぎて、今後の需要には間に合いそうにありません。ミャンマーとしては新しいジェット機を購入して、もっと機体数を増やしたいところなのですが、アメリカから経済制裁を受けているという制約があります。

経済制裁の影響で、たとえばミャンマーの航空会社が、アメリカの会社であるボーイング製の機材を購入する、というようなことはできない上、実際の納入実績もありません。

アメリカ以外では、カナダもミャンマーへの経済制裁を行っています。ですから、ボンバルディアエアロスペース(旧カナデア)との取引は難しいということになります。それ以外の国にも航空会社はたくさんあるはずですが、ロシアではインドネシアでの事故を受けて、現在は機体の調整中。中国では時期が悪く、今発注しても納入のメドが立たないなど、なかなかうまくいきません。

そういう事情から日本の航空会社が注目され、三菱航空機との契約に至ったのです。

三菱航空機のMRJなら、旅客数が少なめなかわりに機体がコンパクトだったり、滑走路の距離も短くてすむなど、いろいろなメリットが考えられます。現在、三菱航空機では、ANAウイングスへ納入するMRJの初号機を作っていますから、その次にマンダレー航空に納入するための機体を生産するとしています。

ミャンマーに最初のMRJが納入されるのは、2018年の見込みだそうです。

予定通り納入されれば、チェンマイはもちろんバンコク・スワンナプーム空港への定期便就航も期待できます。

4年後には、最新のMRJがミャンマーの青空へ飛び立つことになるのです。

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