【ドローン規制問題】規制は必要だが規制ばかりすればいいという訳でも・・・

世界各国でドローンの開発や活用が活発になっています。日本でもホビードローンが出まわるようになり、テレビの空撮などにも使われるようになってきました。そうした流れの中、2015年3月末に、警視庁は災害対策課に赤外線カメラなどを搭載したドローンを配備したことを発表しています。

4月20日にはドローン普及によるリスク分析を始めるらしいというニュースが流れましたが、その2日後の22日に、首相官邸の屋上で墜落したドローンが発見されました。しかもこのドローンは数日前に降った雨に濡れていたことから、墜落後数日経っていることがわかり、日本の警察の平和ボケぶりと、警備の杜撰さが明らかになりました。

2015年1月にはホワイトハウスの敷地内に、操作を誤ったドローンが墜落するという事件が発生したばかりだというのに、警察が国内で同じことが起きる可能性を一切想定していなかったことがわかります。

このようなぬるさの中で「リスク分析」などと言っても虚しいばかりですが、この墜落事件後、失態をごまかすためか規制論が声高に叫ばれるようになっています。何か事件が起こるたびに規制をしてごまかそうとするのはあいかわらず。

ただ、今現在ドローンに関連した法整備がなされていないのは確か。日本政府の中では、経済産業省はアメリカでのドローン産業の広まりに日本が乗り遅れてはならじと、かなり焦り気味にドローン活用を含めた「ロボット革命実現会議」を行い、ドローンのための航空法改正の必要性を訴えています。

しかし、実際に航空行政を管轄する国土交通省は、航空法改正を検討しているという段階。つまり、砕いた言い方をすれば「改正するかしないか、どうする?」と考え中という段階です。さすがの腰の重さですが、要するに実際にドローンを用いた犯罪やテロが発生した場合に、いかに責任逃れができるか、誰に責任を押し付けるかという、日本人ならではのことに頭がいっている状態であろうかと邪推をしたくもなります。

例えば、秋葉原の通り魔事件ではダガーナイフが使われたために、刃渡り5.5cm以上の両刃の刃物が規制されました。しかし、そのために一部産業で仕事のために必要な両刃のナイフや、ダイビングで緊急時に使うためのナイフまで規制対象となり問題が起きました。これなどは「規制をした」というアリバイを作って、仮に同じような事件が起きた時にも責任逃れができるようにしたかのようにもとれる安直な措置であるともいえます。

ただ、ドローンに関しては政府も災害現場などでの活用を推進しているところでもあり、ダガーナイフ規制のような安直な規制をするわけにはいかないという事情もあり、対応が遅れているのかもしれません。

目立って耳目を集めるためにわざと人が多い場所でドローンを墜落させた子供や、それを支援する大人など、現在の日本で、個々のユーザーのモラリティーに依存した安全性への期待がナンセンスである以上、規制は規制で必要だし、明確な法的根拠がなければ警察も取り締まりができません。

安全性を確保しながらも、必要な場面で活用したり、或いは国民がホビーとして楽しめるような法整備と環境整備が求められます。

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