近い将来エアバスがボーイングを追い越す日が来る!?

航空機のメーカーで代表的な会社といえば、アメリカのボーイング社とフランスのエアバス社の2社があげられます。日本では長い間ボーイングの存在感が大きかったため、航空機メーカーといえばボーイングという方も多いと思います。

実はエアバスの歴史はボーイングよりも約60年も短いものの、1980年代後半以降、長年にわたってほぼ互角の勝負を繰り広げているのです。

国内では大手2社のANA・JALの主力機はボーイングの機材がほとんどであったことや、大人気のボーイング747(愛称:ジャンボジェット)が国内幹線に就航していたこと、ANAが最新鋭機の787をローンチカスタマーとして世界で初めて就航させたことなどにより、ボーイング社への親しみが深いと思います。

ところが、最近はニュースなどでもエアバスの名前を聞くことが増え、空港でもエアバスの機材を見かけることが多くなってい多様に感じませんか?

2013年にJALがエアバスA350XWB(エクストラ・ワイド・ボディ)を31機導入することを決定し、この発注によって2014年には同機のテストフライトが羽田でも実施されました。このA350には最新技術が駆使され、機内の気圧を従来機より高く保つことが可能で、燃費効率も同規模機より25%ほど改善されているといいます。

また、2012年に国内本格参入し、路線便数を順調に増やすLCCの代表的な3社(ジェットスター・ジャパン、ピーチ・アビエーション、バニラエア)はいずれもA320を使用しているため、各就航空港でエアバス機を目にする機会も増えています。

エアバスの旅客機が初めて就航したのは1974年のことで、それまではボーイング、ロッキード、マクドネル・ダグラス(後に両社はボーイングに吸収・合併)といったアメリカのメーカーが民間機の世界を独占していました。

エアバス社はフランス、西ドイツ、イギリス(後に撤退しスペインが参加)によってヨーロッパの威信をかけ、エアバス・インダストリーとして1970年に設立されましたが、はじめは全く売れない状況が続き、1976年頃までは受注よりも生産が先行していた程でした。

そんな状況の中、エアバスは思い切った戦略に出ます。

ボーイングの本拠地であるアメリカのイースタン航空に、当時エアバスが1機種だけ展開していたA300という2通路のワイドボディ機を30機、半年の間、無償で使ってもらうという前代未聞のセールスを展開したのです。

加えて、エアバスは試用期間の整備費や運航証明取得手続きの費用の負担、さらには自社リスクでイースタン航空への金融機関からの融資の手配までしたといいます。実は当時、イースタン航空の経営状態は芳しくなかったため、エアバス社はそこに目をつけてアメリカ市場に食い込む好機ととらえ、好条件で攻勢をかけたのです。

結果、半年の無償期間を経てエアバスは同社から31機(オプション9機含む)の受注をとりつけることに見事成功しました。

この半年のトライアル期間中、エアバスが売り込んだA300は大きな不具合もなく運航したことから性能の良さが認められ、これによりエアバス機の高い信頼性をヨーロッパの外へ広く知らしめるという相乗効果をもたらすことにもなったのです。

その後、1通路のナロウボディ機であるA320を開発した際には、1987年の初飛行の時点で約400機もの受注を集めることとなり、これを機にエアバスはボーイングのライバルとして認められる存在に成長したのです。

A320は大手航空会社が大型機を飛ばすほどの需要がない地方路線などに適した大きさの機材として重用され、現在ではLCCの多くも同機を導入しています。

A318、A319、A321(数字が大きいほど機体が長く座席数が多い)といったファミリー機が次々に造られ、2015年1月には最大離陸重量(航空機の自重+乗客+貨物+燃料の重さ)を増加し、航続距離をファミリー機最長の7,408kmまで延長させた最新型機のA321neoもつい最近ローンチされるなど、エアバスのベストセラー機となっています。

その受注数は2014年12月末時点で1万1,514機、航空機生産事業で300~500機が採算ラインと言われている中では驚愕の数字となっていて、人気のほどがうかがえます。

A320シリーズの標準座席数は107~185席で、ライバルであるボーイングの競合機としては737シリーズが相当し、国内でもANA、JALの大手をはじめ、スカイマーク、ソラシドエアなどの新興航空会社の多くはB737で運航しています。

B737の初飛行は1967年とA320より20年も早いものの、すでにA320シリーズの総受注機数はB737に肉薄している状態となっています。

また、2013年の売上高でもボーイングは530億ドル(6兆2,833億円)に対して、エアバスが420億1,200万ユーロ(5兆7,618億円)と迫る勢い。さらに、エアバス機全体の2014年末の受注機残数は、航空史上最大の6,386機にのぼると発表されています。

エアバス社はかつてアメリカ勢の独壇場だった本国に攻勢をかけて成功を収め、近年はボーイングと蜜月だった日本の航空会社にも手を伸ばし始めています。両社の競争により、良質な旅客機が開発され、利用者側に快適な航空機として還元されるのならば文句のない話だと言えるでしょう。

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