ジェット機のエンジンスタートに時間がかかる理由

待ちに待ったエンジンスタート。「グランドさん、こちらコックピット、No1.エンジンからスタートします」とパイロットは整備士にエンジンスタート開始を連絡します。それに対して「No1.エンジン、スタート支障ありません」と安全を確認をした整備士が返事をすると、やっとエンジンスタートするのです。ここではエアバス社のA330を例にご説明いたします。

最初にまずは、スタートバブル(スターターへ圧力空気を流す弁)と点火スイッチ両方を統制するスタート・スイッチを所定の位置に動かします。続いてマスター・スイッチ(燃料の元栓を統制するもの)を入れます。これによってスタートバブルの蓋が開き、スターターの中に圧縮空気がいっきに流入するのです。

ギアを介して高圧圧縮するのがスターターの仕組みですから、まずN3計に動きがあります。N3計が3000回転になると(最大回転数の約25%~30%)になると、燃料が燃焼室内へ入ったことを燃料流量計が示し、次の燃料の燃焼開始がEGT計の変化で確認できます。コクピットで聞こえるエンジンの音と、N1計の表示で、パイロットは回転力が強くなっていくのを感じることができます。

そしてN3計が、1分間に5000回転(最大回転数の約50%)を示す頃になると、スタートバブルが閉められ、点火装置も停止します。その後も自力回転が続き、6300回転(最大回転数の約63%)前後になると安定し、その回転数を維持します。また残りの計器も一定値のところで安定維持モードになり、スタート動作の終了です。

このように、ジェットエンジンは自動車のスタートと比較して、始動時間、アイドル時間ともに10倍以上かかるのです。

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