離陸と着陸、より危険で怖いのは、どっち?

飛行機そのものが怖いので、できれば乗りたくない。特に着陸が不安で、生きた気がしない、という人がいます。飛行機事故の報道などがあると、いっそう怖さが増すようです。

でも、コクピットクルーには「ランディングより、テイクオフのほうが緊張する」という人のほうが多いようです。理由の一つは、着陸はスピードを落としていく作業、離陸はスピードを増す作業だからだといいます。

しかも離陸時は燃料がいっぱいで、機体が重い。もし事故になってしまったら、燃料のぶん、爆発の規模も大きくなってしまいます。ですが、「事故の件数は着陸のほうが多い」という説もあって、どちらがより危険とかは言い切れないようです。

離陸滑走をスタートしてからの3分間。着陸前の8分間。

この二つは事故が起こる確率の多い時間帯と言われていて、航空業界では「魔の11分間」という言い方があるそうです。もっとも、離陸も着陸も、乗員も客室乗務員もやるべき仕事で大忙し。どちらがより危険かどうかとか、考えている時間はないそうです。

たとえば、離陸間際に客室乗務員が行う作業の一つには「サイレント・サーティ・セカンド」というものがあります。

客室乗務員が30秒間だけ目を閉じて着席し、離着陸時に緊急のことが起きたときをイメージ。その後の対応の手順を、これもイメージだけで確認するのです。

もし、離着陸時に緊急のことが起きたら・・・

客室乗務員は機内の動揺を静めて、自分自身も衝撃防止態勢をとって、身の安全を確保。まずは自分たち客室乗務員が確実に助からないと、乗客を安全な場所へ誘導する人が誰もいない、という事態になってしまうからです。

着陸後は機外の状況を確認し、必要ならドア操作を行い、乗客を誘導。

これら一連の対応を、客室乗務員はイメージし、緊急に備えるのです。つまり、非常時に備えてイメージ・トレーニングをしておくというわけです。客室乗務員は華やかな仕事に見えますが、離着陸時はもちろん、フライト中にも多くの仕事があり、実はかなり多忙な業務なのがお分かり頂けたでしょうか。

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