茨城空港は北関東のアジアへの玄関口になりつつある!?

2014年のスカイマークの経営破綻は様々な影響を及ぼしましたが、中でもスカイマークに依存していた地方の空港への衝撃は大きく、特に国内線がスカイマークの便のみだった茨城空港は、空港として成り立たなくなるのではないかという懸念からマスコミでも大きく取り上げられました。

結局、スカイマークは会社再生を進めながらも、米子行きを運休にした以外には国内線既存路線を減便しつつも維持しており、とりあえず空港としての命脈を保っているようです。

そんな茨城空港にとって一つ明るいニュースではないかと思えるのが、2015年7月25日に中国南方航空の中国・深セン行きの便が就航するということです。

深センは、中国の特別行政区である香港と、中国本土との境界の街で、そういった条件から経済特区に指定されており、香港とならぶ金融センターとして、また工業都市として、そして近年ではIT企業の拠点としても非常に発展している大都市です。ドローン開発会社などもあるとのこと。

深センから香港までは九廣鉄路という鉄道路線で40分ほどです。これを踏まえると、この茨城-深セン便は香港旅行のための路線として北関東住民にとって非常に便利になるのではないかと思われます。

例えば茨城県の水戸市を起点として考えた場合、鉄道だと成田空港まで2時間以上かかります。しかし、水戸駅から茨城空港までは高速バスで40分、深センに着いてから香港まで電車で40分。成田まで行って香港までの直行便に乗るよりも時間を短縮できます。

また、香港まで直接行った場合はわざわざ深センに行くことはあまりないと思われますが、深センが起点となれば発展著しい深センの街を楽しむこともできるし、広州へ足を伸ばすというオプションも考えられます。同じ香港旅行でも、ひと味ちがう旅を味わえるチャンスが広がります。

ただ、茨城空港側はやはり商売が下手なのか、公式サイトを見ても茨城-深セン便が新規就航するとしか書いておらず、上記のようなことはアピールしていません。深センと聞いて香港の隣とピンとくる人はあまり多くないと思われるので、そのへんをもっと強く打ち出せば利用客も増えそうなものですが・・・。

茨城空港の話題としてはもう一つ、2015年9月にハノイ行きのチャーター便が就航。これは、以前ビキニCAのCMで話題になったベトジェット航空によるものです。成田発のベトナム行きは、ホーチミン直行は多くてもハノイ直行は少ないので、こちらもなかなかアピール度は高いのではないでしょうか?

茨城空港には、春秋航空の上海への定期便も就航しています。あまり知られていないようですが、小籠包や日本で「焼き小籠包」という名前で売られている生煎包のような点心は上海が本場です。

また、主食が米で醤油をよく使う上海料理は日本人の口にも合うと言われています。中華点心や中華料理が好きという人は上海を訪れてみるのはどうでしょうか?もっとも、上海はいまだ大気汚染問題を解決できていないようなので、ビジネスで行かねばならないという場合はともかく、観光という点ではあまり強くはお勧めできませんが・・・。

スカイマークのせいで国内線の便が少なくなったために利便性が落ちてしまったといわれている茨城空港も、北関東住民のアジア方面への玄関口と考えると、なかなか便利な空港だと言えるかもしれません。

また、スカイマークも再生の後には便数を増やしてくる可能性もあると思われるので、まだまだ捨てたものではない将来性がある空港なのではないかという気もします。

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