空港で活躍する様々な特殊車両

飛行機を利用するとき、様々なスタッフがサポートしてくれます。そして、空港では人だけではなく、色々な「車」も私達、そして飛行機をサポートしてくれています。

飛行機が滑走路に着陸して駐機場に誘導され、停止します。そうすると飛行機の周りには、普段の生活では見ることのない、色々な車が集まってきます。空港では、グランドスタッフはもとより、これらの特殊車両も活躍しており、飛行機に乗る時、乗客は必ずどこかでこれらの車両にお世話になっています。

では、これらの特殊車両はどのような役割を担っているのでしょうか。飛行機の発着を通して、それぞれの特殊車両がどのように活躍しているのかをみていきたいと思います。

飛行機の出発準備が整いました。すると機長はインターフォンを使い、プッシュバックを要求して、パーキングブレーキを解除します。隣の副操縦士が地上走行で義務付けられている衝突防止灯をオンにすると、機体はトーイングトラクター(トーイングカー)に押され、ゆっくりと動き始めます。

なぜここで他の車のサポートが必要なのでしょうか。

それは、飛行機が自分でバックをすることが出来ないためです。飛行機の車輪はギアを入れて回転させているのではなく、単に空転しているだけなのです。ほとんどアイドリング状態で走行し、ブレーキでスピードをコントロールしながらゆっくりと進みます。

そのため、出発の際に飛行機を所定の位置まで牽引してくれるものが必要。それがトーイングカーと呼ばれる車両で、小さいながら、かなりパワフルで、馬力は約400馬力あるそうです。

今度は飛行機が着陸してからです。

到着した旅客機が滑走路に降りると、ターミナル前のスポットまで誘導されていきます。駐機スポットの前で旅客機を誘導しているのはマーシャラーと呼ばれる人たちで、マーシャラーが立っているのはマーシャリングカーという、最高で4メートルも伸びる高所作業台。

発着便が集中する時間帯には、旅客機はときにターミナルから離れたオープンスポットに止まる場合もあります。いわゆる「沖止め」と呼ばれるもので、その際に乗客が乗り降りするための階段を備えた車をパッセンジャーステップカー(タラップ車)といいます。

この車両は、旅客機とターミナルを直接つなぐパッセンジャーボーディングブリッジが設置できないオープンスポットで活躍しています。

停止した機体の胴体部分では、機内に積んだ貨物や乗客が預けた荷物を降ろす作業が行われます。貨物室から大きなコンテナやパレットを積み降ろすのはハイリフトローダーの役割で、X字のリフトを特徴としており、カーゴローダーとも呼ばれます。また、いくつものコンテナをつなげて走り回るその姿は、一列に並んで行進するカルガモ親子の行列のようです。

また、旅客機の後方にある貨物室から、乗客が預けた手荷物や貨物の積み降ろしを担う、ベルトローダーという車両も活躍しています。幅の広いゴム製ベルトが回っていて、旅客機の高さに合わせてコンベアーが上下します。そこに荷物を1つずつ乗せて地上に降ろします。これらの車両で地上に降ろされた貨物や荷物は、コンテナトラックに乗って旅客ターミナルへ向かいます。

このハイリフトローダーやベルトローダーで下した貨物や手荷物が入ったコンテナをターミナルで運ぶタグ車というトラクターは、コンテナを運ぶムカデみたいな車で、コンテナをいくつも乗せて走る様子を見たことのある人も多いと思います。

主翼の下では、燃料の給油を行う給油作業車がホースを伸ばして、空港の地中に張り巡らされているパイプラインと主翼部分にある燃料タンクの給油口を接続します。そして担当スタッフがレバーを操作し、給油作業を行います。

他にも旅客機のエアコンや照明などのサービス用やメインエンジン始動用の電力を供給するグランドパワーユニットや、旅客機に乗客用の飲料水などを補給する給水車、機体のタンクからトイレなどの汚水を抜き取るラバトリーカーなどもあります。

また、航空機の清掃作業時に使用されるクリーニングリフターや飛行後の客室清掃、機内誌やヘッドホンの交換といった作業をするための人が乗っていて、乗客が降りた後すぐに入れるように専用のキャビンサービスカーという車が用意されています。

そして機内で乗客にサービスする食事を積んだケータリングカーも同時に作業を始めます。ケータリングカーはフードローダーとも呼ばれ、客室に機内食や飲み物を運び入れるため、荷台が高く持ち上がる構造になっています。

空港ではほかに、化学消防車や滑走路除雪車両など、特殊な任務を負った車両も待機しています。旅客機には大量の燃料が積まれているので、火災の際には大事故にならないように、すばやく消火しなければなりません。空港の消防車両は一般の消防車とは違い、装備した大量の水や消火薬剤を短時間に放射できるのを特徴としています。

一方の滑走路除雪車両は、とくに北国の空港などで活躍しています。

旅客機の運航にとって、雪はとてもやっかいなもので、滑走路や主翼に降り積もった雪や付着した氷はそのまま放置すると、旅客機の離陸性能が大きく低下し、飛行に大きな影響を及ぼします。

最後に、空港内の保守・管理業務にあたる航空局の車両(先導車)があります。

空港には、様々な形をした車が色々な役割を担っていて、次回空港に行く際には、また違った視点で色々なものを観察してみるのも面白いかもしれません。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る