無人飛行機がハリウッド映画を変える

アメリカ合衆国では米連邦航空局(FAA)により無人飛行機の利用が厳格に規制されており、これまで映画やテレビドラマ、コマーシャルなどの商業利用で無人飛行機の利用をすることはできませんでした。

しかし最近になって規制が緩和され、FAAが無人飛行機を利用した空撮の認可を始めました。

無人飛行機による空撮は安価で、かつヘリコプターなどの航空機による事故などのリスクを回避することができ、ダイナミックな映像がつくれるというメリットがあります。

ただ、これまでアメリカ国内では法執行機関や消防署などの公的機関のみしか無人飛行機を使うことができず、「007 スカイフォール」や「トランスフォーマー/ロスト・エイジ」などの有名なアクション映画では、無人飛行機を利用するために、わざわざ外国で撮影を行っていました。

今回の規制緩和は米映画協会(MPAA)が規制緩和を求めてロビー活動を行ったことにより実現したもので、これをきっかけに、よりダイナミックアクション映画ができると、ハリウッド映画界が盛り上がりを見せています。

実際、FAAが無人飛行機を利用した空撮の認可を始めてから、無人飛行機で撮影を行う業者のもとには問い合わせが殺到しているのだそうです。

カリフォルニア州サンディエゴを拠点にするAerial MOB社には、商業利用の目的での問い合わせは毎日50件以上にものぼり、すでに18件の撮影許可申請をFAAに提出し、映画やテレビドラマ、コマーシャルなどの目的で2件の空撮許可を得ているといいます。

無人飛行機のメーカーの製造ラインも忙しさを見せており、カリフォルニア州コロナを拠点にするVortex Aerial of Corona社のもとには、無人飛行機を購入したいとの問い合わせが1日3件から5件程もあるとか。

今回FAAが認可した新ルールでは、夜間の空撮はできず、飛行空域も一般から隔離された地域で、かつ高度400フィート以下でしか無人飛行機を飛ばすことができませんが、FAAの無人飛行機に対する規制のために、これまで南アメリカやカナダ、ヨーロッパでの業務展開を余儀なくされていた無人飛行機にに関わる企業も盛り上がりをみせています。

長く続く不況の時代に明るい兆しを見せてくれていると同時に、ダイナミックな映像が人気のハリウッドでの名作登場に期待が寄せられています。

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