空中発射ロケットが実用化すれば宇宙旅行へのハードルも下がるかも?
日本ではJAXAが2017年6月1日に準天頂衛星「みちびき」を打ち上げ、これでH2Aロケットの打ち上げが28回成功したと話題になっていますが、それがニュースになること自体、日本のロケット技術の低さを示しています。
アメリカに目を向ければ、すでにロケット打ち上げは民間企業が行っており、スペースX社などが人工衛星への物資輸送を行っています。
事業として成り立つということは、すでに成功するのは当然のことで、それを用いて何をするかが問題になっているということです。
現在ロケットの打ち上げは、地上の打ち上げ基地から巨大な推進機を使って行われています。
ただ、この方式は非常にコストがかかるのがネック。
地上から宇宙まで物を運ぶためには、重力や空気抵抗に逆らうための非常に大きなエネルギーを要するため、巨大なブースターや大量の燃料を用意しなければなりません。
しかし、重力が低い高高度までロケットを運び、そこから発射すれば地上よりも効率が良いため、同じ積載物を運ぶにも、地上からの打ち上げより小さいロケットで済みます。
こうした方式を空中発射ロケットといいます。
アメリカのストラトローンチ・システムズは、ロケットを空中発射する「イーグルス・ローンチ・システム」を開発しており、このたび、その中核となる空中発射用母機「ロック」を公開。
ロックは翼長約117mの巨大航空機で、2機のジェット機を羽でつなげたような形状をしており、ボーイングのエンジンを左右3基ずつ搭載。
CNNの報道でも“世界最大の航空機「ストラトローンチ」”が公開されたなどと誤報をしていますが、母機の名称はロックであってストラトローンチではありません。
「イーグルス・ローンチ・システム」では、このロックで空中発射ロケット「サンダーボルト」を一般旅客機の巡航高度、つまり高度1万メートル程まで運び発射。
これにより、宇宙輸送のコストが大幅に削減できるようになるとのこと。
ロケット打ち上げのコストが削減されるということは、一般客の宇宙旅行へのハードルも下がるということも意味しているように思います。
ロックはこれからテスト飛行が行われ、その後ロックからの空中発射テストも行われる予定です。