「ハブ空港」ってどんな空港のこと?

航空関係のニュースなどで、「ハブ空港」という単語をよく耳にするようになりました。何のことかお分かりでしょうか。みなさんは「大都市にある、規模の大きな空港」のことだと思われるかもしれません。確かに「ハブ空港」は大都市にあることが多いのですが、大都市の空港だからといって、ハブ空港とは限りません。ハブ空港とは何かについて、まずは簡単に説明します。

A,B,C,Dの4つの空港があるとします。すべて直行便で結ぶと、AとB,C,Dの間で3路線、BとC,Dの間で2路線、さらにCとDの間に1路線で、合計6路線が必要になります。

しかし、A空港を中心とし、必ず経由すると定めるとどうでしょうか。この場合、AとB,C,Dの間の3路線で済むことになります。最初のパターンに比べて、路線数が半減することがお分かりでしょう。

この「路線網の中心となって機能する空港」のことを「ハブ空港」というのです。「ハブ」というのは自転車の車輪にある「軸」のことです。想像してみて下さい。中心部から、放射状にスポークが伸びていますね。これを飛行機の路線網に例えたのです。ハブ空港の概念は1970年代後半にアメリカで生まれた仕組みで、今では世界中の航空会社で採用されています。この運用方法は「ハブ&スポーク方式」と呼ばれます。

では、「ハブ空港」を運用するメリットは何でしょうか。エアライン各社では、ハブ空港を中心として運用することによって、ダイヤの効率化を図ることができます。直行便よりも路線数が削減できるからです。

また、従来のシステムでの直行便と同じ規模の機材や乗務員をハブ空港での運用に当てた場合、上記の例では2倍の輸送量を確保できることになります。増便が可能なので、利用者側にもメリットが多いでしょう。アメリカでは、大手エアラインはすべて「ハブ&スポーク方式」を採用しています。ヨーロッパの航空会社でも採用する会社は多く、今は日本を含めたアジアでの「ハブ空港」争いが激しくなっています。

アジアでは、近年、シンガポールのチャンギ空港や香港国際空港、ソウルの仁川国際空港などでハブ空港化を想定した計画が進められており、新空港を開港したり、ターミナルを新しくしたりしています。

日本は、長年「国際線は成田、国内線は羽田」という住み分けがあったため、ハブ空港化を目指す計画が遅れがちですが、羽田空港の国際線ターミナルが拡充しており、今後の発展が期待されています。

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