スカイマーク危機で地方空港も共倒れに!?

LCCに先駆け1998年に運行を開始した「割安」航空会社スカイマーク。一時は運行トラブルなどが原因で業績が悪化したものの、その後経営見直しで業績は回復していました。ところがLCCの出現や原油高、加えて円安による燃料負担の増大などにより再び業績が悪化。

2014年7月にはフランス・エアバス社と結んでいた旅客機購入の契約が支払いの目処が立たないとして解除となりました。さらには、この契約解除によりエアバス社から700億円もの多額の違約金を請求される可能性も出てきて、スカイマークが窮地に立たされています。

スカイマークは「経営ならびに財務基盤の安定化を図るため」という理由で茨城空港-中部国際空港便など4つの不採算路線を休止させています。

こうした状況に危機感を募らせているのが地方の各空港。例えば茨城空港は中国のLCC・春秋航空の上海便を除けば国内線路線は全てスカイマーク。茨城空港のスカイマークの国内線のうち、採算ラインに達しているとみられるのは搭乗率72%の札幌便のみ、神戸便は60%弱とギリギリですが、福岡便は50%を切っており、今後の休止候補に上る可能性もあります。

2010年に開港したばかりの茨城空港は、首都圏に近いこともありそもそもその存在に疑問が持たれて来ました。しかし、茨城や栃木の住民にとっては羽田に行くよりも、或いは新幹線に乗るために東京に行くよりも近くて便利な空港です。

飛行機の飛行距離から言うと羽田や成田の「近隣」とも言える茨城空港にはJALやANAは就航していません。そこで、着陸料を安くしてスカイマークを誘致することに成功しました。とはいえ、毎年2億円の赤字が出ています。この上スカイマークまで撤退することになると、もう経営を維持することはできないでしょう。

大阪の伊丹空港や関西国際空港にほど近い神戸空港も似たような状況です。神戸空港に就航している路線も70%近くはスカイマークの便。この度の休止でこれまで1日2往復だった仙台便が1往復に減ります。札幌便は運賃が7割も値上げされるために、神戸市の担当者はさらに搭乗率が下がるのではと懸念を示しています。

鳥取県の米子空港は、就航から1年経たないうちに成田便が休止となってしまいました。

こうした問題の根底には、以前から指摘されていた空港の造り過ぎもあるようです。鉄道網が極度に発達した狭い日本で、大小合わせて97カ所もの空港が本当に必要か考えるべきかもしれません。

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