マーシャラーを見られなくなる日が来る?

航空機が滑走路へ着陸し、ゆっくりと駐機スポットへ近づいてくると、色々な人たちや特殊車両が集まってきます。その中で、この駐機スポットへやってきた航空機を誘導するのが、グランドスタッフの一人であるマーシャラーと呼ばれる人たちです。

大型旅客機の場合、コックピットは高い位置にあり、航空機誘導員はマーシャリングカーと呼ばれる車両に付いた昇降機にのぼって合図を出します。

この航空機誘導員はマーシャラーと呼ばれ、旅客機を停止させる際、コックピットから停止位置が見えないため、マーシャラーは両手に日中ならパドルと呼ばれる大きなしゃもじのような道具を、夜間なら光を放つマーシャリング・ライトを持って、旋回や直進、徐行、停止などの合図を送り、正確な停止位置まで誘導します。

空港に行った際、到着した旅客機を観察していたり、自分の乗る飛行機が目的地に着いた際など、映し出された機内の大画面でこのような光景を見たことがある方も多いでしょう。

しかし、ふと気付くと、そのような光景を見ないときがあります。日本の空港で、マーシャラーが駐機スポットで誘導を行っていない空港は、羽田空港と成田空港、そして中部国際空港の3か所です。

では、マーシャラーの代わりに、これらの空港ではどうしているのでしょうか。これらの空港では、画面で停止位置をパイロットに知らせる駐機位置指示灯(VDGS=Visual Docking Guidance System)と呼ばれる機械装置及びシステムが設置された駐機スポットが増えているからです。

パイロットはVDGSの電光掲示板の表示を見ながら、ゆっくりと駐機スポットへ進んでいきます。

この装置VDGSは駐機位置の正面に設置され、赤外線レーザーにより、駐機スポットへ近づいてくる旅客機の位置や速度を正確に計測し、電光掲示板に左右のズレや停止位置までの残りの距離を表示してパイロットに知らせてくれます。

そして、停止位置に近づくと、残りの距離が20センチ刻みで表示されるようになり、最終的にSTOPの表示に変わったところで旅客機を停止させ、パーキング・ブレーキをかけています。

しかし、マーシャラーが完全に見られなくなったわけではありません。国内の主要3空港ではVDGSが標準装備されるようになりましたが、地方空港ではマーシャラーによる合図を行っており、例えば羽田空港でも、沖止めをする場合には、マーシャラーが旅客機を誘導します。

この沖止め、という用語は、元々船舶から来ており、他にもシップ、キャプテン、パイロット、キャビン、クルーなど共通用語があるのですが、ターミナルビルに設置されたスポットに飛行機を直接駐機せず、ターミナルビルから離れたスポットに駐機させることを言います。

この沖止めは、スポット数が足りない場合やLCCで多く見られます。この場合、出発ロビーから一旦バスに乗って行かなくてはならず不便ではあります。

ただ、マーシャラーが少なくなったと言っても、マーシャリングだけの作業をする航空会社はなく、プッシュバック・トーイングや貨物手荷物搭降載、整備補助などの作業を兼務しています。

また、マーシャラーを担当した後、さらに経験を積んでトーイング担当者へとステップアップしたり、また、日本では安全を最も重視しているので、これからもマーシャラーの活躍が期待されています。

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