飛行機の翼は意外に柔らかい?

旅客機は見かけからするとがっちり硬くて、びくともしない感じがしますが、実際にはとても柔軟性のある構造をしています。

たとえば、飛行中の大型旅客機の主翼は2m程度上向きにしなっているのです。2mと聞くと、そんなに大きくしなって大丈夫?という感じがしますが、これは、主翼の上側と下側の空気圧が異なり、上側のほうが低いため、翼を下から押し上げる力が働くためです。

これとは逆に、地上に降り立った旅客機の主翼は下向きにたわみます。

飛行中に受ける揚力は、地上滑走や駐機中では生じることはありません。むしろ翼自体の重みで下向きの重力がかかります。

このように、主翼はきわめてしなやかに形を変化させ、それでも問題ないつくりになっています。硬そうな見かけと違って、上下に伸びやかに動くものなのです。

では、その柔軟性のある構造はどのように作られているのでしょうか。

主翼はまず、胴体から翼端に向かって骨(桁)が伸びています。その骨と直角に交わるように配される小骨(リブ)があり、小骨どうしをつないで強度を保つストリンガー(縦通材)があり、その上に外板を張ってあるのです。

桁は主翼の背骨にあたり、1本桁のものから3本桁のものまであります。1本桁では翼幅のほぼ中央に、2本桁の場合は翼の前と後ろに1本ずつ配されます。

3本桁では、さらに中央にもう1本配されますが、3本あると、万一のトラブルでそのうちの1本が損傷しても残りの2本で十分飛行がつづけられるという利点があります。ジャンボ機(ボーイング747)の主翼は3本桁です。これに対し、リブはいわば肋骨のような働きをしており、主翼の整形を支える役割があります。リブは大型旅客機では、片翼につき約50本、両翼で100本以上も備えられています。

リブが細かく配されることで、飛行中に大きな力がかかる主翼の外板が変形せずにすむのです。

こうした細かい骨組み構造のおかげで、主翼が状況に応じて柔らかに変形することができます。突然の乱気流などで受ける不規則な力も分散し、安全な飛行ができることになります。

それに、主翼の構造が乱気流などの衝撃を減らしているということは、同時に胴体の揺れも抑えているということでもあります。しなやかな主翼は、単に機体を保護するだけでなく、乗客の快適な乗り心地の役にも立っているのです。

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