旅客機の燃料タンクはどこにあるの?

旅客機のジェット燃料に使われるのは「ケロシン」という灯油です。灯油といえば石油ストーブなどに使われる家庭用のものが身近ですが、家庭用の灯油は、水分を多く含んでいるので飛行機には使えません。

ジェット機が飛んでいる高度一万メートルの上空では、気温がマイナス50度以下にもなりますから、家庭用の灯油を上空に運んだとしても、凍ってしまいます。ケロシンは水分を少なくした非常に純度の高い灯油で、それをジェット燃料に使うのですが、その量が半端ではありません。

たとえばボーイング777は、日本と欧米などを結ぶ長距離路線で運航されている機体ですが、積載する燃料は最大約17万リットル。大きなドラム缶で850本分です。

旅客機は、機体とほぼ同じ重量の燃料を積み込むことになります。しかしそんなにたくさんの燃料が、旅客機のどこに置かれているのでしょう?実は、燃料の置き場所は、主翼の中。左右に大きく伸びている主翼の内部に燃料タンクがあるのです。

最新型の機種では、水平尾翼内にもタンクを設置していることがありますが、メインタンクは主翼です。水平尾翼はサブタンクとなります。

メインが主翼なのはちゃんとした理由があって、飛行中の旅客機には、主翼には上向き、胴体には下向きの力がかかっていて、主翼のつけ根にとても大きな力が加わるのです。

その力をやわらげるには、主翼に「重し」を入れることが必要。燃料タンクを主翼に設置することで、燃料の重量を利用し、主翼が必要以上に反り返らないようにしてあります。

また、主翼内部の燃料タンクは一つきりではなく、いくつものタンクに分けて設置されています。もし重さ100トン以上の燃料を大きなタンクひとつに入れてあったとしたら、旅客機が動くたび、重量バランスや重心がずれてしまい、スムーズに飛行することができません。

もっとも実際のフライトでは、旅客機が燃料タンクを満タンにして飛ぶことはまずありません。燃料を積みすぎると、機体の重量が増し、燃費が悪くなり、燃料を浪費してしまうためです。

飛行前に、気象条件、飛行計画、乗客や貨物のトータル重量などの条件を考慮し、もっとも適した量の燃料を積載するのです。

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