飛行機が嫌いなのに「旅客機に乗れ」と言われたあなたに・・・
飛行機が嫌いでも、飛行機に乗りたくなくても、別にかまわないと思います。誰にでも苦手なものはあります。無理する必要なんてありません。
そういうわけで、飛行機がダメならダメでいい、飛行機が嫌いは別にほっといてもいいんじゃないかと思うのです。
でも、そうも行かないときがありますよね。
仕事や旅行や同窓会、帰省で旅客機に乗らなければならないこともある。
まずは、飛行機が苦手でいいんです。飛行機を無理に好きになる必要なんかないです。「飛行機を好きにならないといけない」とかで、ご自分を責めたり、ご自分を苦しめるのはやめてください。
飛行機好きは、そんなことは望んでいません。
一つだけ、あなたに憶えてほしいこと、けして忘れないでほしいことがあります。
『世の中に、飛行機ほど安全な乗り物はない』のです。
ひとたび事故が起きるとああなのですが、その事故が起きる確率はきわめて低いのです。それは、これまでの航空機事故の統計や、交通機関の歴史が証明しています。自転車や自動車やバス、他にもいろんな交通機関がありますが、「もっとも事故に遭わない交通機関」それも「事故の確率がものすごく低い乗り物」は、飛行機なのです。
ウソだと思ったら、ネットでもなんでも「飛行機が事故る確率がどれくらいか」調べてみてください。どんな交通機関も、旅客機がたたき出したこの数字には、なかなか追いつけないでいるのです。
ただ、飛行機が嫌いな理由は、実に人それぞれです。
なんでこんな重くて巨大なものが、空を飛ぶのかわからない。もしなにかあっても、空の上だから外に逃げられない。航空事故の報道が怖い。自分がもしああなったらと思うと、怖くてたまらない。
もっと意外な理由を聞いたこともあります。
だから、まずは無理をしないでください。交通機関は他にいくらでもあります。
どうしても飛行機がダメで、世界中を船と鉄道だけで旅する著名なピアニストがいます。絶対名前を知ってますよ。それくらい有名なピアニストです。ワールド・コンサート・ツアーのたびに、いちいちとんでもなく時間ががかるそうですが、できないこともないそうです。
「できないこともない」くらいの、ものすごい長時間旅行ですが。
それと、どうしても飛行機に乗らないといけなくなったら、
『世の中に、飛行機ほど安全な乗り物はない』ことを、何度でも思い出してください。
乗客の私たちが、彼らのすべてに会うことはありませんが、旅客機一機がフライトするには、想像もできないような人数のスタッフが、いろんな業務に携わっています。飛行機を作ったり、整備したりする人たち。機内をきれいに掃除してくれる人たちもいます。機内食や毛布や、フライトに必要ないろいろなものを用意して、機内に運び込んでくれる人たちも。
その一人ひとりすべてが「安全なフライト」に対する意識を忘れることはありません。
空港で搭乗手続きを行ったり、わかんないことを案内してくれるスタッフたち、操縦席のパイロットたち、客室乗務員たちも、すべて全員が安全なフライトだけを思って、日々全力投球しています。その努力が「世界一事故の確率が低く、安全な乗り物は飛行機である」という結果を生み出しているのです。
シートベルトしてねとか、避難するときの手順を説明するねとか、スタッフがあ~してこ~してって私たちに言うこともあるけど、怖いことが起きるからではありません。
スタッフのすべての行動は「怖いことを起こさないために」、言ったりやったりしているのです。
でも、無理しないで下さい。
航空会社やスタッフの前で、飛行機が怖くないふり、飛行機が好きなふりをする必要はありません。怖くなったら怖いって、スタッフたちに相談して大丈夫。飛行機好きは、誰かが飛行機でイヤな思いをするのはイヤなのです。あなたが怖いと言えば、あなたのそばにいてくれて、あなたの話を聞いてくれます。