飛行機を満席で飛ばすための航空会社の工夫と苦労

航空運賃は購入するタイミングによって大きな価格差があることをご存知でしょうか。

例えば2~3か月前に予定が決まっていれば、片道1万円で購入できるものが、当日に急遽・・・という場合には3万円以上かかってしまったりと、同じ機内でも約3倍もの差がある運賃の乗客が混在しているのです。

同じ公共交通機関である電車やバスは、多少の割引などの違いはあっても、距離で決まっているか一律かなどわかりやすい設定になっています。

飛行機であっても電車やバスであっても、定期運送を行う公共交通機関であれば、供給量いわゆる座席数と運航コストもほぼ決まっていることから、あとは座席をいかに埋めることができるかがポイントとなり、各便で損益分岐点となるおおよその座席数が決まっているものと予想されます。

しかしながら、全席3万円程度の価格帯で売っても席が埋まるはずもなく、だからといって全て1万円にしてしまうと採算が取れない恐れがあります。

数年前、国内の新興航空会社で2か月前に買っても当日買っても全席15,000円というような運賃設定をしていた航空会社もありましたが、今やこの方式をとっている会社がないということは効果がなかったということになるでしょう。

現状では、購入時期による割引設定の他、早朝深夜など需要が少ない時間帯のフライトへの割引設定などがあり、慣れない人には少し複雑になっています。

搭乗日の数ヶ月前に予定が決まっていれば、航空券購入後は変更ができないとか払戻料が割高など、利用者側からすれば取り消しづらくするというリスクがあるものの、変更の可能性が少ない方にとっては格安で購入可能。

航空会社からみれば、低価格での設定による需要喚起で早い時期に乗客の摘み取りができるということになり、乗客と航空会社それぞれにメリットがあるということになります。

運賃設定には同じ路線を飛ばしている競合他社の存在も大きく影響します。

同じ時間帯のフライトであれば、他社よりも高い運賃設定をしてしまうと他社に取られてしまう可能性が大きくなりますので、他社動向を注視しながら決めていくことになります。

安く設定すれば乗客は増えそうですが、安くし過ぎると売上が減少する恐れがあるため、需要予測をもとに全体的にバランスをとる必要があります。

しかしながら、実際には90日前等のバーゲン系の運賃であれば国内線の実質運賃は1万円前後で、大手も新興の航空会社も数百円の差ということも。

需要予測とロジックに基づき各社運賃を決定しているはずですが、結果的には競合他社の動向に大きく影響された結果なのかもしれません。

乗客側からすれば、少しでも安い新興航空会社の航空券を買うのか、少し高いけどマイルがつく大手の航空券を買うのかという選択をすることになります。

そして、もうひとつ飛行機を満席で飛ばすための策がオーバーセール。オーバーブッキングという言葉も同じ意味でよく聞きますね。

運賃価格をコントロールすることで多くの乗客が事前に購入しますが、それでも当日にキャンセルしたり、キャンセルすることもなく空港に来ない方もいるそうです。

そういった不測の事態により発生する空席を埋めるために事前に備えているのがオーバーセールで、意図的に提供座席数以上に予約を受けておく手法。

では、何席オーバーセールさせるべきか?

当日のキャンセルが予測よりも少なかった場合、オーバーセールした数が上回れば乗れない乗客が出てくるということですが、これはできれば避けたい事態。

毎便の当日キャンセル数が同じような数値であるわけがなく、曜日波動や時間帯波動など存在しますが、ここで活きてくるのも過去の実績や需要予測などのデータであり、そこで使用するロジックが重要になってくるのです。

予測が外れ、オーバーセール数がキャンセル数を上回った場合は、次便や翌日の便に変更してもらえる乗客を探し、協力金などを支払って変更をお願いすることになるため航空会社には痛手になります。

一方で乗客側からみれば、時間や旅程に余裕のある方であれば、このような状況に遭遇した場合に協力すれば、もう少し長く滞在できる上に謝礼をもらうことができることになります。

いずれにしても航空会社の担当者はひとりでも多くの乗客に乗ってもらうために日々苦労をしていることでしょう。利用する側の私たちは、こういった運賃やオーバーセールの仕組みをうまく利用できるようになれるといいですね。

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