安定したフライトのために、重心とバランスの調整が必要!?

重さだけでなく重心位置も、飛行機のフライトに大きな影響を与えます。

例を挙げると、重心位置が飛行機の後方にある場合、機首が上向きになる力が働くことになります。その上向きになる力を打ち消し、水平に保つようにするのが、水平尾翼に発生する上向きの力、つまり揚力。

反対に飛行機の重心位置が前方にある場合は、水平尾翼の下向きに発生する力によって、水平を保つようにします。しかし重心位置が、極端に前方か後方にある場合は、水平尾翼の能力を超えてしまい、安定したフライトが困難になります。

そうならないために、航空界では、ウエイト・アンド・バランス・マニフェスト、略して「ウエバラ」と呼ばれている積荷目録で、飛行機の重さと重心位置の両方を管理しています。

重心位置について、通常は、空力平均翼弦と呼称される、翼の重心を通る線上の何%の位置になるか、つまり空力平均翼弦に対する割合で表すことになります。重心位置が認められる範囲は予想以上に狭く、エバス社のA380で29~44%MAC、ボーイング社のB747で13~33%MACとなっています。

ちなみに体重設定は、パイロットと客室乗務員は、荷物込みでそれぞれ77キログラムと59キログラム、国内線と国内線の乗客はそれぞれ、64キログラムと73キログラムになっております。

しかしスポーツ選手の団体などが搭乗される場合は、実測するか聞き取り調査を行います。そして一人ひとりの着席位置から、体重×距離で回転する能率を計算し、飛行機全体の重心位置を割り出すのです。

そのため、飛行中に空いてる席があっても、自由に移動はできません。

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