ホンダが造る航空機、今後はいかに

国産旅客機の製造が白熱しています。

日本国内では三菱航空機が手掛けるMRJ、そしてホンダエアクラフトカンパニーはアメリカを本拠地として「ホンダジェット」を手掛けています。ホンダジェットは7人乗りと小型機の中でもさらに小さく、ビジネスジェットというよりもプライベート(自家用)ジェットと呼ぶほうがふさわしいかもしれません。

ホンダジェットのコンセプトは、ホンダがこれまでに送り出してきたバイクや自動車と同じく革新的な「乗り物」を提供することといいます。

エンジンを主翼上面にのせた独創的なデザインに加え、燃費がよく、静粛性、航続性、快適性に優れるなど、バランスのとれた性能と品質に注目が集まっています。

また、通常の航空機は機体メーカーとエンジンのメーカーが異なっていることがほとんどですが、ホンダジェットの場合は自動車開発と同様にエンジンも航空機の一部としてホンダが開発しているとのことです。

これによって機体全体が「ホンダ製」となり、世界中のメディアから「遂に飛行機の販売を開始」と取り上げられるほど、ブランドの価値と機体の信頼性の向上にも一役買っているようです。

ホンダジェットが本拠地を置くアメリカでは、一般市民でも航空機の操縦資格を持つ人が多く、広大な土地ゆえ航空の文化が根付いていることから「自家用機」も多数飛行。

そのような土地柄のため、当然ビジネスジェット機の市場は激戦区となっていて、現状ライバルとなるのはアメリカのセスナ社やブラジルのエンブラエル社などとなり、この2社は既に大きなシェアを占めている状況。

しかしながら、ホンダブランドへの注目度は高く、量産機の製造が始まったばかりにもかかわらず顧客からの問い合わせは多く、既に100機以上を受注しているとのことです。

ホンダジェットを「どうして日本で売らないのか」という疑問の声も上がっているようですが、日本国内で所有されている民間のビジネスジェット機は現在約30機といわれています。

一方、アメリカでは1万2千機以上が登録されていることから、日本における小型ジェット機は市場が小さすぎると判断されているのでしょう。

日本を含むアジアでの販路拡大については今後の状況を見極めながら検討していくことになるそうですが、良いものを評価するアメリカにおいて認められることが世界への足掛かりとなるはずです。

一昔前は高級車に乗ることがアメリカンドリームだった時代がありましたが、今や世界中で燃費の良い大衆車が好まれる傾向にあり、性能のいい日本車は誰もが認めるところとなっていて、ホンダ車も例外ではありません。

このことは飛行機においてもおそらく同じことがあてはまり、アメリカだけでなくビジネス機の需要が拡大しているヨーロッパにおいても、近距離の移動ではホンダジェットはコストパフォーマンスの高い航空機となり得るでしょう。

もちろん1機450万ドル(約5億4千万円)という価格は、既に市場にあるライバル機と比べて極端に安いわけではないため、今後新参として販売機数を増やして業績を伸ばすためには、品質だけでなくマーケティング力と販売後のカスタマーサポートも重要な鍵となってくるでしょう。

とはいえ、世界的な自動車メーカーがつくる飛行機というのは大変注目度が高く、「車を扱うかのように気軽にジェット機で移動できる世界」を実現することは、挑戦的なことだと思われます。

ホンダジェットは、ワールドツアーの一環で2015年4月23日に来日し、GW中に仙台、熊本、神戸、岡山、成田で初披露イベントとしてデモンストレーションフライトを行い、2015年5月19日からスイスのジュネーブで開催される航空ショーに出展、ヨーロッパ各地を巡っています。

実機を見た人の多くは、「小さくてシルエットにスピード感がある」「エンジン音が静かで驚いた」と印象を語っています。

今はまだ外観メインの印象と、ホンダジェット側が提供するデータなどで機材品質を推し量る段階ではありますが、これから量産機がユーザーの手に渡り、フライトをして初めて真に評価されることとなります。

とはいえ、数十年後に日本の国産飛行機が世界の空を飛んでいるというのも夢ではなさそうです。

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