中国国内でも新しい航空機の開発が盛んに

日本の国産旅客機としてMRJやホンダジェットの開発が注目を集めています。中国でも中国産の旅客機開発が進んでいるという話を聞いたことがあるでしょうか?

中国商用飛機(COMAC)が開発を進めるのは「C919」と呼ばれる旅客機で、機体に搭載する電子機器のアビオニクス部分を米中の合弁会社である昂際航電(AVIAGE SYSTEMS/アビエイジ・システムズ)が担当することになったと新華社通信が報じています。

中国ではこのC919を大型旅客機として位置づけており、新華社通信によれば「現在の航空機分野で最強の大脳を備えることになった」と評するほどの期待が高まっている模様です。

旅客機は大型機・中型機・小型機の概ね3つに分類されていますが、大きさを区分するための目安としてはキャビン内の通路が1本のナローボディー機と通路2本のワイドボディー機の分類があります。

大型機の代表格であるボーイング社のB747シリーズはワイドボディー機で客席数が最大で520人以上、また現在最大の大型機とされているエアバス社のA380が最大で850人以上ですが、C919は客席数170~190席程度のナローボディ機と中型機並でありながらも中国では大型旅客機と位置づけられているようです。

このC919に搭載するアビオニクス部分の開発を担当するアビエイジ・システムズは本社を上海に置き、資本金13億米ドル(約1560億円)で中国航空工業集団と米GEが折半出資で2012年に設立した会社とのことです。

同社の参画により、C919はボーイング社のB787やB777に相当する先進的なアビオニクスを装備する航空機となることが期待されます。

一方で、中国では地域路線用として座席数が最大100席程度のジェット旅客機ARJ21の開発も進められています。

ただしARJ21は当初は2005年に予定していた初飛行が2008年に延期され、その後も地上試験中に目標負荷に達する前に主翼が破損するなどトラブル続きとなっています。2014年12月30日に中国当局の型式証明は取得したものの、欧州航空安全機関(EAS)および米連邦航空局(FAA)の型式証明取得には至っていません。

C919については、2009年に機体の一部の組み立てが始まっており、2014年中には初飛行を行う予定とされていましたが、現在までまだ実施はされていないようです。航空会社の引き渡しも遅れる予定となっていて、現在では2018年予定とされています。

C919にはすでに300機以上の発注があったとされていますが、米リース会社のGEキャピタル・アビエーション・サービスが20機を発注した以外はすべて中国の航空会社とリース会社によるものとされています。

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