キャビンアテンダントの制服はセクシーでなくていいけど個性的なのがいい!?
日本でもLCCが隆盛を極めつつありますが、現在世界規模で航空業界に激烈な競争が起こっています。そんな中で各社様々な戦術をとって顧客を獲得しようとしているようです。しかし、中には行き過ぎた戦術をとってしまう会社も・・・
顧客の、とくに男性客の支持を得るための要素として、キャビンアテンダントの質というのはとても重要です。特に、サービス自体とともに見た目も、そしてキャビンアテンダントを引き立てる制服もまた重要です。
とはいえ、国内新路線就航記念としてCAがビキニ制服で乗務したことがあるというベトナムのLCC・ベトジェットエア、ミニ過ぎる制服で物議をかもしたスカイマークなどはやり過ぎだと言えるでしょう。スカイマークはミニスカCA導入も虚しく経営破綻してしまいました。
こういうあからさまなお色気路線ではなく、各国の伝統衣装をキャビンアテンダントの制服に取り入れて人気を得ている航空会社もあります。
例えば、シンガポール航空は、複雑なデザインの伝統衣装「サロンケバヤ」を制服に取り入れています。いかにもアジアン・エキゾチックな雰囲気のこの制服は有名かつ非常に評価が高いようです。
マカオ航空の制服は、一般的なイメージのツーピース制服の上に特徴的な太い帯をしめて個性を出しています。
中国の四川航空の制服は、なんとチャイナドレス。
タイ国際航空の制服も、明確に民族衣装というわけではないのですが、アジアらしい雰囲気を醸し出しているデザインです。
欧州に目を向けると、ドイツのルフトハンザ航空はオクトーバーフェスの時期限定ですがバイエルン地方の伝統衣装「ディアンドル」を取り入れています。
さて、翻って日本の航空会社では、さすがに伝統衣装の着物を取り入れるというわけにもいかず、ツーピースの制服を採用している会社が多いようです。日本の航空会社のキャビンアテンダントの制服をかっこいいと思うか、かわいいと思うか在日外国人20人に聞いたアンケートでは、
かわいい:8
かっこいい:4
かっこよくてかわいい:1
きれい:1
その他:6
というような結果となりました。
日本航空は、2013年よりファッションデザイナー・丸山敬太さんデザインの制服を採用。これは、9年ぶりのリニューアルとなります。現行制服は、紺に赤い縁が入ったジャケット。その下は白い襟と袖口の半袖ワンピースで、一見地味ですが落ち着いた美しさを感じさせます。
一方のANAは2005年からJALの現行制服に近い紺のツーピースでしたが、2015年2月より、ニューヨークのデザイナープラバル・グルンさんデザインの制服に変更。新制服はグレー基調のツーピースにピンクかスカイブルーの半袖シャツのものとピンクに白の模様が入ったワンピースとなりました。
スカイマークはいろいろ騒がれた青いミニスカワンピース。ちょっと背伸びをして荷物をキャビネットにしまったりすると下着が見えそうです。ただ、この制服を採用した西久保前社長は経営破綻により退陣しているので、新体制下で変更される可能性も。
スターフライヤーは黒、エア・ドゥは紺のわりと無個性なツーピース。どちらかというと機能性重視というイメージがあります。
国内LCCを見てみると、ピーチ・アビエーションの制服はピーチのイメージのピンクの襟なしジャケットに、紫のスカーフを帯のように巻いて個性的です。
ジェットスター・ジャパンは、ジェットスターのイメージカラーであるオレンジの制服で鮮やかですが、たくさん並んでいると眼がチカチカしそう。
ソラシドエアはグレーのちょっと地味めの制服ですが、その上に巻いたピスタチオ色のアクセントカラーが目を惹きます。
バニラ・エアは空色に袖と胸のポケットの口が黄色。派手過ぎるように見えますが、機内で目立つ実は考えられた色使いではないかと思います。
ANAとJALはよく言えば「正統派」、悪く言えばおもしろみがない感じです。LCCのほうは、各社それぞれ自社カラーを出そうと工夫が見られます。いずれにせよ悪い意味で話題性を集めるのではなく、それぞれの個性でアピールしてほしいですね。