燃料は「ジェット」と「ガソリン」ジェットは2種類

飛行機に使われる燃料は2種類あります。

「航空ガソリン」と「ジェット燃料」

発熱量、燃焼性、揮発性、低温に耐える、腐食性がない、貯蔵安定性、熱安定性・・・航空機の燃料には、非常に厳しい条件が求められるそうです。

ジェット機の燃料はエンジン内部の燃焼室で燃やすのですが、この燃やす時に「どれくらい発熱するか」で、推進力が決まります。ですから、発熱する温度がより高く、より推進力の強い燃料が求められることになります。

ここで求められている「航空燃料の発熱量」は、ポンド当たりのBTUで表現されます。航空ガソリンは18ポンド720BTU/lb以上、ジェット燃料は18ポンド400BTU/lb以上とされています。

条件は他にも多くあり、発火性と燃焼の持続性がよいこと、煙や炭素の生成が少なくて完全燃焼すること。

低温に強いこと、揮発性が求められるのは、航空機が気温の低い高高度に上昇するものだから。ジャンボ機が飛んでいる上空の気温はマイナス50度からマイナス60度ですから、どんな品物であっても、そこに持っていったら凍ってしまいます。

石油などの燃料でも例外ではなく、航空機の燃料は、それでも凍らない特性を持ったものを用意しなければならないのです。

また、腐食性については、ジェット燃料は含まれる硫黄分を「0.4%以下」に規制しているそうで、これはかなり厳しい数字とのこと。

腐食性に関して硫黄分が規制されるのは、腐食と硫黄分の関わりが深いため。

燃料は性能を発揮するために、飛行機の中のさまざまな部品や配管の中を通らなければなりません。その燃料の通った場所が、条件や場合によっては腐食していくわけですが、この時、腐食の原因となっているのは、「燃料がそこを通ったから」というよりも「燃料に含まれている硫黄化合物が多いから」が原因だそうです。

<ジェット燃料について>

ジャンボジェットなどのように、ジェット機の名称の機体に使われているのがこちらです。

石油の原油は加工によって「軽揮発油」「重揮発油」「灯油」「軽油」「重油」になります。ジェット燃料は「軽揮発油から灯油までの溜分」を配合して作られたもので、「ワイドカット燃料」と「ケロシン系燃料」の2種があります。

「ワイドカット燃料」は「JetB」または「JP-4」と呼ばれるもので、軽揮発油と重揮発油の混合油と灯油が約半々に混合されたものです。

「ケロシン系燃料」は「JetA-1」または「JP-5」と呼ばれ、灯油溜分から精製されます。家庭で使われている灯油と同じなのですが、精製度が全く違い、上空でも凍りません。

<航空ガソリンについて>

航空ガソリンは「軽揮発油溜分」を精製したもので、レシプロエンジンの航空機の燃料となります。そのため、レシプロエンジンだと「自動車のように、ガソリンで飛ぶ飛行機」と表現されることがありますが、ガソリンの精製度は全く違います。

昔の映画に出てくる飛行機の燃料はすべてこれ、と言ってもよいような存在です。今では信じられませんが、そのころの飛行機は全体数が少なく「めったに見かけないもの」だったので、独特の騒音が物珍しく、喜ばれていたそうです。

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