ジェットエンジンと計器類はどういう関係にあるのでしょうか?

今回は、ジェットエンジンと計器類について、代表的なものをご説明いたします。

ジェットエンジンは、外部より空気を吸いこんでそれを圧縮、その圧縮したものに熱を意図的に加えて後方へ押し出すことにより、前方に進む推力を発生させるという仕組みです。吸込み、圧縮、燃焼、排気という過程を経るため、それぞれの状態を表す計器類が必要になってくるのです。

一番重要な計器が、排気ガス温度(EGT)計です。これはエンジンのオーバーヒートを監視するための計器で、温度センサーの問題から燃焼室内の温度を計れないため、燃焼室より後方の温度を測定するもの。

エンジンのスタート時や離陸時については、かなり厳しい制限値が設定されています。それ以外の計器としては、回転計、燃料流量計、滑油の油量計、圧力計、温度計、あとはエンジンの振動計などがあります。

これらの計器類にも、排気ガス温度計と同様、制限値が設けられており、計器の指示値によって、適切な処置をするよう飛行機運用規定に定められております。

仮に自動車であれば、エンジン出力の大きさを把握しないで、坂道走行をしても何ら問題は無いでしょう。しかし飛行機であれば、その推力の大きさを把握しないで操縦することはできないのです。推力によって、どれくらの滑走が必要になるか算出しますし、操縦する場合は、定格の推力が出ているか確認する必要があるのです。

残念ながら推力の強さを直接的に計る計器は開発できていませんが、ファンと低圧圧縮機の回転を計るN1計や、エンジンがどれくらい圧縮したかを示すエンジン圧力比(EPR)計から、ある程度は推測することが可能です。

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