故障発生!警報システムが作動したら・・・

クラシックジャンボ機(B747-200)世代までは、常にすべてのシステムを監視できるよう、電気や油圧装置などの制御装置や計器類をシステム概略図のようにパネルに配置していました。そして、例えば油圧装置の作動液温度を監視している朱色の警告灯が点灯した場合、その対処方法が記載されたマニュアルを参照して、その後の操作を実施していました。

現在では、パネルのように装置全体の状況を常時表示する代わりに、異常が発生した場合のみ、主にエンジンの状況を表示している中央のディスプレイにカラー表示する方法がとられています。

エンジン火災など緊急を要する故障の場合は赤色、オーバーヒートなどの警戒すべき故障が朱色、単なるメッセージは白色、操作手順は青色で表示し、緊急度を瞬時に判断できる仕組みになっています。

ちなみに、エアバス機とボーイング機では表示や運用方法に違いがあります。

エアバスA330の場合は、飛行機を電子的に集中監視するECAMと呼ばれるシステムにより、故障発生時にエンジン計器を表示しているEWD(エンジン警報ディスプレイ)に、故障状況と操作手順が自動表示され、該当するシステム概略図と故障状況もSD(システム・ディスプレイ)に自動表示されます。

ボーイングB777の場合は、EICAS(エンジン計器およびクルー警報システム)と呼ばれるシステムが装備されています。飛行機を監視し、故障発生時にはエンジン計器を表示しているEICASディスプレイに文字による警告を表示します。故障状況に対応する操作手順や概略図については、パイロットが選択することで表示されるようになっています。

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