コックピットの計器類の数を減らす本当の理由とは

ジャンボ機でもヘリコプターでも、航空機のコックピットを初めて見た人は同じ事を言います。言い回しは人それぞれですが、「パイロットはあれを全部理解した上で飛んでいるのか?」

誰もがそう考えるほど、飛行機のコックピットには多数の計器やスイッチが並んでいます。

しかし、大型機でも小型機でも、機体の形状やエンジンの種類が違ったりするだけで、根本的な「飛行」という仕組みに変わりはありません。「これを把握して飛ばなければならない」という必要情報も、どんな飛行機も同じようなもの。

どんな飛行機もコックピットの基本的な構成は同じと考えてよいくらいです。

「航空計器」は次の四つにわけて考えることができます。

・飛行計器:機体の速度やバランスなど、飛行機自身の状況を表示するための計器

・航法計器:天候や目的地への距離など、飛行機が置かれている現在の状況を把握

・エンジン計器:エンジンがどういったパワーバランスで動いているか、不具合はないか

・システム計器:エンジン以外の機構がちゃんと動いているか 不具合や異常はないか

コックピット内での操縦士の座席は、機長が左、副操縦士が右。昔の船舶が必ず左舷で接岸することになっていたため、船長席は必ずブリッジの左寄り。その影響だそうです。

機長側と副操縦士側の計器盤には、全く同じ計器が配置されています。これは「フェール・セーフ」の考え方によるもの。

フェール・セーフは、設計したものが故障してから考えるのではなく「故障してもいいように設計しておく」という考え方のこと。「機械は故障するものだ」という前提で設計しておいたほうが、信頼性の高い機構が出来あがるからです。

計器盤の場合は、一つの飛行機に一つの計器盤しかなかったら、フライト中にそれが故障したとき、それっきりになってしまうと考えます。それに備えてもう一つ、同じ計器盤を別に設けておくのです。

ジャンボ機自体、実は機長一人だけで操縦できて、その意味だけで言うなら、副操縦士は必要ありません。ですが、機長一人きりでは、何かあったときに困ってしまいます。そこで必ずジャンボ機は必ず二人でコックピットに座り、何かあったときもパイロット同士が交代して操縦できるようになっているのです。

計器やスイッチ類が多いのは、フェール・セーフの影響もありますが、そもそも二つ設置されている機器が多いとのこと。

飛行機一つについているエンジン数が増えていること、機内を快適にするための各種システムが多くなったことも、スイッチが増えた理由。

航空機が適応できる天候や高度が増え、さまざまな機能が追加され、「飛行機のできること」はずいぶん多くなりました。より多くの状況に対応するためにはより多くの機器が必要になり、それを動かすためにスイッチや計器の数が増加。

ですが、際限なく数が増加すると思われていたスイッチや計器類は、ある時点から、数の増加をストップしました。

理由の一つはコンピュータの進化。もう一つ理由があり、「グラス・コックピット」の登場です。

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