計器類は最高で971個存在!?今ではそれも減少傾向

パイロットになりたいという人は、コックピットの計器やスイッチ類すべてに意味があると知ると、たいていそれだけであきらめがつく模様。飛行機のコックピットの計器類は、昔からどんな機種であっても、たいがいの人が憶えるのをあきらめるくらい、数が多いのです。

全体の構成はどれもあまり変わりないのですが、やはり小型機よりは大型機、速度の遅い飛行機よりは速度の速い飛行機の方が、計器やスイッチが多くなります。

歴史的に見ても、飛行機は大型化する一方ですから、それにつれて計器類・スイッチ類の数も増加しているのです。

「それにしても限界点だろう」と言われた機種が、ボーイング747-200です。ライト・計器・スイッチの数を合計したところ、971個。

いくら状況の把握が重要だといっても、パイロットの計器盤も、航空機関士席の計器盤も、コックピットは無数の計器類に埋め尽くされた状態になっています。
しかも971個の表示や位置を間違えたり、見落としてはならない。

これではむしろ安全性が低下すると考えられたため、747-200以降は「コックピットの簡略化」が求められるようになりました。

ボーイング757と767では388個、ボーイング747-400は365個と、確実に数を減らしています。

大きく計器の数を減らすことが出来たのは、コンピュータの進化が貢献しています。

それまでのアナログ式の計器では、高度計なら高度だけ、気圧計なら気圧だけといったふうに、「一つの計器で一つの情報を表示」するようになっていました。

「一つの計器で一つの情報」には大きなメリットがあるのですが、航空機が大型化するにつれ、747-200のケースのような「コックピットが無数の計器に覆われた状態になってしまう」という問題が出てきました。

そこで「複数の情報を統合し、一つの画面に表示できる」という利点を優先し、アナログ計器を廃し、CRT(ブラウン管ディスプレイ)やLCD(液晶ディスプレイ)によるグラス・コックピットが採用されるようになったのです。

1980年代から設計・製造された新しい機種には、グラス・コックピットが採用されるようになりました。現在は液晶が一般的ですが、80年代の飛行機映画では、ブラウン管によるグラス・コックピットを観ることができます。現在、鉄道や自動車についてもグラス・コックピットの表現が使われていますが、もともとは航空用語です。

アナログ計器とデジタル計器の大きな違いは、測定量の伝達方法です。

アナログ計器は、測定量がレバーや歯車などの機構を通じて指針に伝わり、針が示した数値で測定量が判ります。デジタル計器は、測定量をいったんデジタル信号に変換し、画面の表示で測定量が判ります。

さらにデジタル計器の場合、複数の計器から送られてくる情報をコンピュータで処理し、統合してから表示するので、一つの画面でより多くの情報を効率よく把握できます。

効率よくたくさんの情報を把握できるということは、コックピットを担当する人の数を、これまでより減らしても大丈夫だということ。

昔の航空機は狭いコックピットに何人も並んで座って、さまざまな計器を手分けして担当していたようですが、現在は機長と副操縦士だけの2マン・クルー運航が可能になっています。

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