旅客機も、日ごろの健康管理は大切

実は、現在「現役」で活躍している旅客機のなかには、航空機の寿命といわれる20~25年を経過したものが多くあります。アメリカの航空会社は所有機の4割が機齢20年以上に達している、といわれるほどです。

製造から20年、離着陸回数にすると6万回を超えた旅客機を「経年機」といいます。

経年機は機材や部品が老朽化しており、事故に結びつきやすいのですが、多くの航空会社は1機1~2億ドルもする新品の旅客機を、次々に買い換えるほど予算がありません。

そこで経年機をていねいに整備し、場合によっては大幅に改修するなどして、やりくりしているのです。

改修のコストは300~600万ドルほど、新品よりは安くなります。

つまり、今の航空業界は現役で活躍している経年機を、「いかに健康に長生きさせるか」が、大きなテーマになっているのです。

旅客機の「長寿の秘訣」は整備にかかっています。きちんとした整備を行なわずに使い続けてきた機体は、いざ古びてから慌てて入念に整備したとしても「若返り」は期待できません。そこは人間と同じで、長年いい加減な健康管理をしてきて、歳を取ってから慌てて健康法を試みても、うまく行かないのです。

旅客機を製造した時から、つまり生まれたときから、入念で行き届いた整備を受けてきた機体は長持ちです。1回1回のフライトのたびに、怠りなく入念な整備を続けてきた機体と、そうでない機体とでは、老化の進み具合が全く違うのです。

これまでの日ごろの整備の積み重ねがものをいう、というわけです。

旅客機としては限界でも、貨物機として活躍中という旅客機はたくさんありますし、ある航空会社ではリタイアした機体でも、別の航空会社で飛び回っているというケースも多いのです。

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