ボーイング7E7「ドリームライナー」誕生秘話にみる歴史

2004年4月、アメリカの航空機大手ボーイング社は、日本の航空会社、全日空から50機の注文を受けたのを機に、次期主力機種「7E7」型機、通称「ドリームライナー」(夢の定期便)の開発に着手しました。

座席数200~250席の中型機ながら、現在の最速民間旅客機に匹敵するマッハ0.85(時速約900km)の運航速度、最長で1万5700kmの航続距離を誇る、という触れこみです。2006年に製造開始、2007年に初飛行、2008年に初就航となりました。

「7E7」の最大の特徴は、航続性能は大型機並み、搭載量も比較的確保できるわりに機体重量が軽い、ということです。機体重量が軽ければ、燃費がよくなるうえ、機体重量によって決まる空港の着陸料も節減できることになります。効率性・経済性の面では、従来機を抜きん出る機種となるでしょう。では、なぜ機体重量を軽くできるのでしょうか。その答えは機体材料にあります。

旅客機の機体材料はこれまで、アルミニウム合金をはじめとする金属が8割強を占めていました。しかし、「7E7」では、軽くて強度があり、耐久性にすぐれた「力ーボン繊維複合材料」の使用範囲が大幅に広がり、主翼や胴体など、ほぼすベての構造部材にこれが用いられる見通しになっています。そして、この新しい複合材料の開発にかかわっているのが、日本の企業、東レなのです。

2004年5月、ボーイング社と東レは材料認定取得を行ない、長期供給基本契約の締結をすませました。このほか、同年9月には三菱重工業が新型ジェットエンジンの共同開発に参加することを発表し、開発主体となるイギリスのロールスロイス社と契約を交わしています。

三菱重工業は、すでに、同機の主翼の設計・生産を受け持つことで、ボーイング社と正式合意しています。また、同じくジェットエンジンの開発を受け持つアメリカのゼネラル・エレクトリック社とは石川島播磨重工業が参加の方針を示しており、近々最終合意がなされる見通しです。

これに加え、川崎重工業と富士重工業も胴体部や中央翼の開発・生産が任されており、「7E7」の開発・生産を担当する日本企業の比率は、35%程度になるとみられています。

日本のメーカーはこれまでもボーイング機「767」「777」の開発に参加してきましたが、従来の開発比率は「777」の21%が最高でした。国産旅客機の開発で日の目を見てこなかった日本企業ですが、その「技術力」は高く評価されているといっていいでしょう。もしあなたが、「7E7」型機に搭乗する機会に恵まれたら、じっくりと「メイド・イン・ジャパン」を体感してほしいものです。

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