スカイマーク経営破綻で一番迷惑なのは鳥取県

フランスのエアバス社とのA380契約破棄問題が発端となり注目されるようになったスカイマークの業績悪化。

同社はゆったり空間の「グリーンシート」を全席導入するなどLCCとの差別化を計ったものの、思うような回復はできず、2014年末にはANA、JAL二社に支援の手を求め、これまで行っていなかった共同運行も始めました。

しかしそうした策も虚しく、2015年1月28日、スカイマークはついに民事再生法の適用を申請して経営破綻。同時に西久保愼一社長は退陣、取締役の有森正和氏が新社長に就任して陳謝しています。負債総額は約710億円。

スカイマークは、今後国内ファンドの支援を受けながら業務を継続するとしていますが、収益改善の一環として、新千歳-仙台、神戸-米子、那覇-宮古などの不採算路線を減便する予定です。

このあおりを一番受けるのが鳥取県及び米子市です。実は2013年末のスカイマークの米子就航時、西久保前社長は米子便の撤退はありえないと約束し、2014年9月には運休していた米子-羽田便も再開するとしていました。

鳥取県はそれを受け、米子空港の駐車場増設等空港周辺の利便性を高めて観光客を多く取り込もうと計画し、9,000万円弱の予算を投入しています。また、米子市の観光協会は、神戸市との交流や事業の連携の道を探るため職員を派遣するなどしています。

実は神戸-米子便は、経営破綻前から廃止が検討されていました。しかもそれが発表されたのは、西久保前社長が米子を訪問したわずか3ヶ月後の2014年12月のことです。

鳥取県と米子市は廃止の撤回を希望していましたが、今回の経営破綻によって、スカイマークが米子から撤退することは決定的になりました。

鳥取県はスカイマークに振り回された上に、裏切られた形になります。

西久保前社長は航空業界の風雲児として一世を風靡したワンマン社長でしたが、米子に対して見られる約束を簡単に反故にするような杜撰なところが、今回の経営破綻を呼んだ根本的な原因なのかもしれません。

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