飛行機に給油する方法の秘密と謎

乗客と貨物を載せて空を飛ぶためには、飛行機は自動車の数千倍~数万倍もの量の燃料を消費します。そのため、飛行機には、大容量の燃料タンクが設置されているのです。燃料タンクの容量は、機種ごとに異なります。ボーイング777で約17万リットル、ジャンボ機747で23万リットル。総2階建ての大型機、エアバスA380では31万リットルもの容量です。

31万リットルといえば、なんと、ドラム缶1,500本以上に相当する量になります。ちょっと想像がつきませんが、これらの飛行機が離陸する前に、燃料タンクを満タンにするよう給油が行われるのです。

そんなに大量のジェット燃料は、どこに貯蔵されているのでしょうか?飛行機に給油するタイミングは、普通、飛行機が着陸した後の駐機中のエプロンにて、次の出発に備えて行われることがほとんどです。

そのため、大規模な空港では、燃料を貯蔵するタンクをそなえた給油施設を、空港内に設置するところがほとんどです。そこから、地中に埋設してあるパイプラインを通して機体に直接給油できるようにしています。この方式を、「ハイドラント方式」と言います。例をあげていえば、中部国際空港(セントレア)がこの方式を採用しています。セントレアには5基の貯蔵タンクを持つ給油センターがあります。

セントレアは海上空港なので、燃料は空港までタンカーによって輸送されてきます。1基あたりの燃料貯蔵量はなんと6,000キロリットルにも及びます。それが5基あるので3万キロリットルの貯蔵ができます。仮に、一日に2,000キロリットルの給油を行うと見積もっても、補給をせずに15日分の燃料を貯蔵しておけるという計算になるのです。これなら、緊急時でも、燃料不足にあわてる必要はありません。

先に紹介したセントレアのような「ハイドラント方式」のほかに、外部の給油施設からタンクローリー車でジェット燃料を運ぶ、「レフューラー方式」を採用している空港もあります。この方式は、そのほとんどが小さな空港になります。小型機が一日数便発着するだけという空港ならば、この「レフューラー方式」のほうが、自前の設備の管理や燃料の貯蔵にかかる費用も少なくすみます。

しかし、大型機が頻繁に飛来する大空港ではこの方式では間に合わないことは明白でしょう。それで、大きな空港では、軒並み、敷地内に給油設備を完備し、「ハイドラント方式」で直接給油しているのです。

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