空港内がアミューズメントパーク!?

みなさんの中で、空港に注目したことがある方はどれ位いらっしゃるでしょうか。空港は、出発地や到着地、あるいは乗り継ぎの場所として、ただ通り過ぎるだけのように考えられがちで、乗り継ぎ時間が長いと、出発する前から憂鬱になったり、経由便を避けがちな方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、空港の滞在時間を楽しめていないとしたら、少しもったいないことかもしれません。

イギリスの調査会社スカイトラックス社が、「2013年世界の空港ランキング」を発表しました。これは世界中395の主要な空港について、1210万人の旅行客を対象に行ったアンケート調査の結果をもとに、ランキングしたもので、搭乗手続から買い物、出発、乗り継ぎ、到着にいたるまでの空港のサービスを39の指標で評価しています。

2010年10月にリニューアルオープンした羽田空港は、総合評価で世界9位、国内線空港の総合評価である「World’s BestDomestic Airport」部門と、空港の清潔さと快適さなどを評価する「Best Airport TerminalCleanliness」部門で、それぞれ世界1位に評価されました。

そんな羽田空港以上に高い評価を受けたのが、2010年以来3年ぶりに4度目となる首位を獲得したシンガポールのチャンギ国際空港です。

シンガポールは東南アジアの小国でありながら、アジアの経済や金融のハブとも言われ、同国のチャンギ国際空港は1300万m2の広大な土地に建てられた3つのターミナルからなっています。106の航空会社と連携して、シンガポールと世界242都市をつないでいます。

1年間に5120万人が利用、181万トンの貨物が運び込まれ、1週間に6500機(100秒に1機)のペースで飛行機が飛び立っています。

1981年にオープンしたターミナル1のコンセプトはトロピカルシティーです。建物は時間帯に合わせて、オレンジ、青、黄色にライトアップされ、Lily Pad GardenやCactus Gardenでも南国気分を味わえます。また、ドイツ人アーティストが制作したオブジェが天井から吊り下げられており、1216個の球が、鳥や風船、雨の様子など、さまざまな型を形作ります。

さらに、日本でも行っているところはあり、ご存知の方もいると思いますが、体の古い角質を食べてくれる魚を使ったフィッシュ・スパ、また、オイルを使った全身マッサージや足つぼマッサージも堪能することができます。他にも、1000円程払うと利用できるプールでは、プールサイドにあるバーでお酒を飲めますし、プールのそばにはジムもあります。ちなみに、空港に隣接するホテルの利用者は無料だそうです。

そして「世界一眺めのいい」と言われるトイレの入り口には、清潔度合いを評価するモニターがあり、PoorやVery Poorが押されると、すぐに清掃員が駆けつけるようになっているそうです。

1990年に建てられたターミナル2でも、自然の緑と日光を十分に取り入れる造りになっています。敷地内にある3つのターミナルは無人電車でつながれており、飛行機の待ち時間を、ほかのターミナルにある施設でゆっくり過ごすこともできます。

2008年にオープンしたばかりのターミナル3では「グリーン&フューチャリスティック」を体現しており、近未来的な様相をしてます。

空港に来たら免税店での買い物を楽しみにしている人もいるでしょう。チャンギ空港の3つのターミナルには、全部で330店舗入っています。これはシンガポールのほかの市街地にある商業施設と比べても最大規模で、空港がこの国最大の買い物スポットとなっています。

各ターミナルのショッピングエリアには、無料でお酒を飲めるところがあります。これは、出店しているブランドが、新商品をプロモーションとして無料提供しているのです。

楽しめるのは大人だけではなく、子供も楽しめる施設として充実しています。出発トランジットエリアでは、子供が遊べるプレイグラウンドといわれるスペースが各ターミナルに設置されているので、搭乗前まで遊べます。また、公共スペースにもプレイグランドがあり、ターミナル3の地下2階のプレイグランドは充実しています。

そして公共スペースで子供に人気があるところと言えば、ターミナル3の到着ロビーにある、長い螺旋型の滑り台です。チャンギ空港内で発行された10シンガポールドルのレシートを提示すれば無料で1回滑ることができます。

食事も、搭乗までの時間、気軽に食事が楽しめます。中華からインド料理、シンガポール発の回転寿司のお店までお好みに合わせて選ぶことができます。また、レストランで食事というほどでもない人にとっても、フードコートやコーヒーショップもあり、自分の予算や空腹度に合わせて食事が楽しめます。

さらに、カートや荷物を持っている人へも配慮された、ゆとりあるスペースも評価が高いようです。

ターミナル3には映画館もあり、比較的最近の映画も上映されるそうで、無料で利用することができます。

またトランジットでチャンギ空港を利用する人は、乗り継ぎが5時間以上ある人に限り、無料の市内観光に参加することができます。このツアーは1日8回運行されており、シンガポールの文化遺産を巡るヘリテージツアー、または夜景を鑑賞できるシティーライトツアーなどがあり、約2時間で回ります。

シンガポールのチャンギ国際空港はホスピタリティーとエンターテインメントに溢れており、数年後にオープンされる予定のターミナル4・5も楽しみですね。チャンギ空港は出入国だけのために利用するにはもったいないくらい施設が充実しています。実際週末はシンガポール人の家族連れの姿もよく見られ、時間つぶしの利用だけでは終わらせない工夫が盛りだくさんです。

これらの施設を楽しむためにわざわざ乗り継ぎ時間を多めにする人もいるそうで、みなさんもぜひ、空港で「遊んで」みてはいかがでしょうか。

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